年次報告書

ホーム > 年次報告書 > B01-1班

B01-1班

27年度の実施計画

これまでに得られた自己組織化を利用した微細構造作製やトライボロジー能に関する知見をもとに、生物学的な視点から機能性表面の作製を目指す。以下に具体的な研究内容と方法について述べる。

① 動的に表面形状を変形可能なリンクル構造を生物表面、特に魚鱗等のモデルとして利用、表面を海洋生物の粘液模倣高分子ブラシで修飾することで、海洋生物模倣表面を作製する。

② 海洋付着生物学者の野方らを中心に、上記魚鱗模倣表面や種々の自己組織化微細構造における海洋生物、特にフジツボや付着藻類の接着性を調査、海洋生物の付着と微細構造表面の関係性を明らかにしていく。

③ A01-1班(篠原ら)、B01-5班(劉ら)とともに、遊泳性の異なるサメ肌表面の微細構造をナノスーツ法等を駆使して解析し、微細構造と流体抵抗との関係性を明らかにし、低流体抵抗表面の設計指針を得るとともに、生物学への情報のフィードバックも図る。

④ B01-2班(針山ら)とともに、当該班で得られた知見である自己組織化微細構造の形成技術を、無反射表面であるモスアイ構造に適応し、太陽電池の性能向上を検討する。

⑤ B01-3班(穂積ら)とともに溝構造等を利用したウツボカズラ等を模倣した防汚表面を開発する。

上記と平行してA01-1班のデータベースを活用、生物表面の微細構造と機能を調査することで、構造による新たな機能の解明を狙う。また引き続き多様な自己組織化微細構造を作製することで、上記で着目した機能の向上のみならず、データベースから得られた知見に基づく機能性表面の模倣を、自己組織化を利用して速やかに作製できるように準備し、領域全体の多様な状況に応じた戦略的対応ができる体制をとる。

27年度の実績報告概要

平成27年度の計画は、対応する生物学からの知見を得るための調査等に加え、作製した構造のトライボロジー評価を様々な状態に拡張、その構造・可変性の相関を調査、加えて表面材料の海洋付着制御の試みであった。これらに対し以下の検討を行い、最終年度に繋がる成果を得た。
1.自己組織化を利用して作製されたピラー構造を柔らかい基材に埋め込んだシワ構造で、摩擦特性を評価し、構造形成によって接触面積の低下とスリップ現象の小規模化が起こり、その結果、摩擦が15%程度減少することが分かり、摩擦力がスイッチングできる表面を作製に成功した。
2.無電解メッキによりNiPをハニカム表面だけにメッキすることに成功し、その上面をPDMSに包埋、シワの周期制御に成功した。
3.マダシラミの凹凸表面の摩擦と構造との相関性について明らかにした。
4.ハイドロゲル表面にシワ構造の作製に成功し、ウェット系での異方的な摩擦を確認し、潤滑層と構造の関係について知見を得た。
5.親水性粘液で被覆された魚類体表を模倣した表面の構築を目指し、ポリアニオンブラシ固定化ポリイミド薄膜を柔軟なPDMS上に調製し、シワ形成を確認し、摩擦特性の評価を開始した。
6.親水疎水の微細パターンによる新規な毛管的浸透現象を発見した。
7.付着珪藻等を用いた防汚性能試験を行うための、循環水槽系を構築し、流速を画像解析(粒子捕捉法)で評価する方法を確立し、付着性と流れ場の相関を評価する体制を整えた。
8.フジツボ幼生に加え、新たに付着珪藻5種についての培養を可能とし、付着珪藻を用いた防汚性能試験体制を整えた。

 

(アーカイブ)

 

ページの先頭へ戻る