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B01-3班

27年度の研究計画

①  昆虫の足の可逆的接着性、セルフアライメント技術: 昆虫の脚先構造や魚類の吸着デバイスについて、系統的なアナロジーの検証(A班と連携)と、形成プロセスの解明(B01-2班と連携)、ナノスーツ法による電子顕微鏡観察(B01-2班と連携)を行い、微細構造と接着性との関係を解明して(B01-4班と連携)、可逆的接着性を持つ「昆虫の脚型配線」を最適化する(細田、重藤)。また、濡れ性の違いや泡を利用した「セルフアライメント技術」を開発する(穂積、浦田、重藤、細田、松尾)。最終的な導電化には導電性粒子を利用し、外部刺激により配線の可逆接着を可能にする「結線技術」を開発する。

②  植物の自己修復や分泌の仕組み、長寿命化: 実装材料にあった防錆剤を用いてハイブリッド皮膜組成の最適化を行う。開発中の昆虫の脚型配線のセルフアライメント用にパターニング技術(局所的な紫外線露光)を利用し、親水/疎水性領域の構築を実施する。最適化したハイブリッド皮膜を実際の実装基板に成膜し、防汚特性、曲げ特性、劣化・防腐食性等を総合的に評価し、層状ハイブリッド皮膜が長期間実環境下において絶縁性皮膜として機能することを実証する。さらに、B01−1班の自己組織化による微細構造化技術を利用して、ウツボカズラ等を模倣した分泌型防汚表面の開発を実施する。

③  生物の放熱性等、放熱特性の向上:材料の放熱特性の向上を目指すため、1)極限環境でも生息している珪藻の熱特性の調査、2)として放熱性を高めるメタサーフェス構造の最適化を行う。また、メタサーフェスの作製において自己組織化の可能性を探索する。

④ エレクトロニクス実装プロセスを確立:ハムシの足構造を模倣したセルフアライメント機能を有する電極の大気圧低温雰囲気での接合性検証と、実働デバイスの上部配線に用いられる構造に対して同電極を適用し、応用可能性を実証する。有機基板表面の親疎水性を短時間かつ低毒性なプロセス条件の最適化を行う。現行では酸素含有雰囲気における真空紫外光照射を用いているが、他の反応が酢雰囲気の利用可能性も、X線光電子分光法などによる表面分析の結果から検討する。また、応用可能性検討試料の設計と試作を行う。

27年度の実績報告概要

生物機能のしくみに関する研究結果と生物規範による要素技術開発を集約し、エレクトロニクス実装への技術移転を試みるため次の研究を実施した。

【泡を保持するバイオミメティック表面】シリコンチップ上に泡保持表面(毛状構造)を加工し水中セルフアライメントに成功した。基板側は水蒸気又は酸素補助を用いた真空紫外光照射により親疎水性制御検討をポリジメチルシロキサンを対象に行い、最適条件を見出した。

【泡保持機構の導電性の付与】泡を保持できる突起構造の鋳型を作製し、柔軟な材料であるエラストマーへ構造転写し、エラストマー突起構造への金属メッキによる導電性付与に成功した。鋳型を熱インプリント用モールドとして用いることにより、導電性材料自体に突起構造形成することに成功した。

【放熱制御】極限環境にも生息する珪藻の有機成分の除去方法(熱処理、酸処理)の選定により珪藻殻の細孔特性と水蒸気吸脱着特性が変化することを明らかにした。珪藻殻に水蒸気を保持させることで放熱特性の向上に成功し、水蒸気吸着量と放熱特性に関係があることを見出しつつある(連携/公募班前田)。材料表面の周期的凹凸構造のサイズが、熱的性質に影響を及ぼすことを明らかにした。

【ぬれ制御】生物の機能維持メカニズム、多機能性を模倣した機能性材料の開発を実施した。優れた滑水性、ダメージを受けた際の自己治癒/修復、表面機能の回復、長期にわたる耐食性を有する層状ハイブリッド皮膜(高性能防錆皮膜)を開発した。この層状ハイブリッド皮膜を被覆した銅、アルミニウム基板は塩水噴霧試験2000時間以上経過しても腐食は確認されず、優れた長期耐食性を示すことが明らかとなった。また、ナメクジの分泌機能を模倣した自己分泌型機能材料を開発した。導入する液体を任意選択することで、防汚性のみならず、着氷防止、付着防止、超撥水性、撥液性等の表面機能を付与できることが明らかとなった。

(アーカイブ)

 

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