公募研究班(平成25年度)

有村 博紀

25年度の実施計画

(1 )バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析
①バイオミメテディクス関連データベースの海外動向調査・分査結析
海外の生物資源データベースについて調査を実施する.調査結果からの異分デ野連携や産学連携携のための基盤としての成功要因と課題の抽す出,海外のデータベースとバイオミメティクス・データベースの連携可能性と差別化の方向性の提示を目標とする.
②バイオミメティクスに関する異分野連携や産学連携の取り組みの海外動向調査・分析
欧州等における異分野連連や産学連携に向けた組織化の動きについて調査を実施する.バイオミメティクスに関連する異分野連携や産学連携の取り組みの成功要因と課題の抽出を行う。これにより、連携可能性の提示を目標とする。

(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動
当該領域が構新するバイオミメティクス・データベ}スの国際標準化に行情向けて,バイオミメティクスの国際標準化を検討する技術委員会1SOITC266やその参加国の案動向に関して,公開報による動向調査を行う。ならびに、ISO/ITC266で新しいワーキングアイテムの実現や提案等の標準化活動を行う.

(3) バイオミメティクス・デ}タベースの産業応用に産関業する調査・分析
バイオミメティクス・データベ}スを学術界のみならず産業界にとっても魅力あるものとするために,企査業コンソーシアムの研究者に対して,バイオミメティクス・データベースへのニーズ、について,インタビュー調査を実施する.

25年度の実施報告

(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析:第7期欧州研究開発フレームワークプログラム(FP7)の研究開発プロジェクトを対象に、海外のバイオミメティクス関連の研究プロジェクトを調査・分析した。その結果、関連するプロジェクト178件において、本新学術領域が構築するデータベースに類似した研究プロジェクトは含まれないことが分かった。さらに、ドイツ、英国、フランス、米国について調査したところ、類似するデータベースは見られず、我が国がこのテーマについて強みを発揮できる可能性があることが分かった。

(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動:5月にパリにおいて開催されたISO/TC266第2回総会、10月にプラハにおいて開催された第3回総会に出席し、情報収集、標準化活動を推進した。

(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析:企業研究者等に対して、オープンイノベーション・プラットフォームを実現するためにバイオミメティクス・データベースに必要なデータ、具備すべき機能、機能を実現するための技術、運営方法等についてインタビュー調査を実施した。

26年度の実施計画

現在の研究計画達成度を踏まえて、今後は次のように研究を推進する。

(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析:前年度に継続して、海外のバイオミメティクス関連の研究プロジェクトを調査・分析し、バイオミメティクス・データベースとの連携可能性や差別化の方向性を検討する。さらに、当該分野の欧州等における異分野連携や産学連携に向けたネットワーク形成等の動きについて調査を実施する。

(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動:10月にベルギーで開催されるISO/TC266第4回総会への出席等、前年度に継続して情報収集、標準化活動を行う。

(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析:平成25年度に実施した企業研究者等へのインタビュー結果と研究項目(1)(2)の結果を踏まえて、オープンイノベーション・プラットフォームを実現するために、バイオミメティクス・データベースに必要なデータ、具備すべき機能、機能を実現するための技術、運営方法等を提示する。

26年度の実施報告

本研究が連携する計画研究A01班で構築するバイオミメティクス・データベースは,生物学や材料科学等の異分野のデータベースを,画像データ検索技術により横断的に検索し,クラスタリングして提示することで,専門の異なる研究者に新たな気づきを提供し,異分野連携と産学連携の強力な推進基盤となる.また,ISO においてバイオミメティクスの国際標準化の検討が開始されており,先に述べた画像検索技術を踏まえ,国際標準化に参画することで,我が国の国際競争力強化に貢献できる.
以上の背景のもと,本研究では,オープン・イノベーション・プラットフォームの実現に向けて,国際的産業応用可能なバイオミメティクス・データベースの機能についての検討を目的として調査研究を行った.これに関連する大規模検索とデータ解析に関する技術開発も行った.
これにより,我が国がバイオミメティクスの産業応用で世界に先んじ,我が国の産業界に資することを目指した.また,ISOにおいてバイオミメティクスの国際標準化を検討する技術委員会ISO/TC266における標準化活動を行い,上記を通じて同分野の人材育成も行った.

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