年次報告書

C01班

28年度の年度計画

(1)心豊かなライフスタイルを表現する標準語彙の集約(石田、古川)
心豊かなライフスタイルを実現するためのニーズに関して、ライフスタイルの行為分解木を作成し、ライフスタイルを表現する標準語彙の集約を行う。

(2)バイオミメティクス製品のISO標準に準じたデータハウスの構築(山内、小林(秀)、小林(透))
これまでに蓄積した改善悪化に関するデータベース、TRIZ40の原理に関するデータベース、バイオTRIZに関するデータベース、バイオミメティックスに基づく特許に関するデータベースをLinked Open Dataとすることで、バイオミメティクス製品のISO標準化に準じて工学特許の発案を支援できるデータハウスとして構築する。また、心豊かなライフスタイルから派生したニーズオリエンテッドな新技術の創出を支援できるよう、統合したバイオミメティック情報のオントロジー化についても検討する。さらには実際の社会ニーズを例に新技術の創出の実証実験も行う。

(3)社会へのインプリケーションをフィードバックするシステム構築(石田、古川)
描いた心豊かなライフスタイルに必要とされる新技術体系が、社会へどのようなインプリケーションを与え、それが社会受容性へどのように影響を与えるのか検証し、ニーズとシーズのマッチングの集約をはかる。

28年度の実績報告概要

多様なライフスタイルからニーズを見つけるためにライフスタイルの構造を明示化する手法としてオントロジー工学の応用を検討してきた。具体的な個々の生活シーンの構造を明示するために、行為を目的とそれを達成するための方式から構成されると捉え、生活シーンの中で述べられている行為を目的とその達成方式に分解、あるいは抽象度を上げた概念として抽出し、「行為分解木」として生活シーンを記述可能となった。これにより、心豊かなライフスタイルを表現する標準語彙の集約を行うことができ、これにニーズとシーズのマッチングが効果的に行う手法論が構築できた。
これまでに蓄積した改善悪化に関するデータベース、TRIZ40の原理に関するデータベース、バイオTRIZに関するデータベース、バイオミメティックスに基づく特許に関するデータベースを統合して、思いがけない生物の仕組みとの遭遇を支援するセレンディピティ指向のオープンデータ検索システムを開発した。さらにはこの検索システムを活用して、実際の社会ニーズとして岩手県北上市の口内地区をモデルに、和傘が繋ぐ心豊かなライフスタイルに必要となるバイオミメティック製品の創出について実証実験を行った。
社会へのインプリケーションをフィードバックするシステム構築については、ライフスタイル視点では社会が、依存型から自立型のライフスタイルを求めていながら、現実にはその両者の間にギャップが存在するが、このギャップ「間」を埋める要素を明らかにする方法を検討した。そのための予兆研究を開始した。予兆は、地球環境制約に基づき、すでに明らかにした日本における生活要素44のいくつかを満足するものと定義し、約150例の予兆を分析することで、「間」を埋めるのに必要な優先的な要素を明らかにできた。

(アーカイブ)

 

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