平成25年度の公募研究

金森 義明

研究概要

モルフォ蝶の鱗粉のナノ周期構造の発色原理を模倣し、構造由来による光応答周波数を制御して超高効率な分光
特性を発現する構造色により、色素不要、色あせ無し、低環境負荷なカラーフィルタが実現できる。本研究は、
ナノバイオミメティクスを応用した三原色(RGB)構造色材料の高機能化と集積化の実現を目的とする。具体的
には、①RGB構造色材料の実現、②高機能化(視野角、分光帯域、分光効率の向上)、③集積化(ピクセルアレ
イ化およびピクセルサイズ超微細化)を達成し、新しい発色原理の超解像フルカラーフィルタを実現する。

25年度の実施計画

RGB構造色材料の実現と集積化(ピクセルアレイ化およびピクセルサイズ超微細化)
周辺媒質よりも高い屈折率を持つ誘電体材料を素材とし、導波モード共鳴効果や干渉効果を活かしたRGB構造色
の光学設計を行う。光学設計に基づき、試作する。ピクセルサイズの微細化を実証し、どこまで微細化可能か明
らかにする。特定のデザインをRGB表示し、超解像カラーフィルタをデモンストレーションする。
設計は、Finite Difference Time Domain (FDTD)法やRigorous Coupled-Wave Analysis (RCWA)法による数値計
算により、サブ波長構造と電磁波の相互作用を厳密に求める。RGB各フィルタは構造(周期、寸法、形状)がそ
れぞれ異なるが、各色フィルタのピクセルを所定ピッチでアレイ配置して一括製作する。顕微分光装置、デジタ
ル顕微鏡、走査電子顕微鏡を用いて、試作したRGB構造色フィルタの垂直反射・透過分光特性や形状を評価する
。10μm角以上のピクセルサイズは、自作の微小領域可変角度反射測定装置で角度特性を評価する。

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