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【2014. 10. 31】3rd Nagoya Biomimetics International Symposium (NaBIS) 活動報告

2014年10月31日

日時:2014. 10. 31

場所:愛知県

3rd Nagoya Biomimetics International Symposium (NaBIS)に参加して

B01-3班:名古屋工業大学 前田浩孝

2014年10月31日(金)にウインクあいち(愛知県産業労働センター)で3rd Nagoya Biomimetics International Symposiumが開催された。丸一日かけて、8件の招待講演があり、予定時間を超過するほど活発な議論が行われた。講演は材料研究をベースとするものでありながら、表面や分子設計のような様々な視点からの最近動向を得る機会となり、工学を専門とする私にとっても興味深く各講演を拝聴した。その中で海外から参加された研究者の講演について以下に紹介する。

Chinese Academy of ScienceのSu Zhaohui教授は、濡れ性のチューニングに関する御講演であった。Layer-by-Layerによりポリアニオンとポリカチオンからなる多層膜をマトリックスとして構築し、対イオンの濃度を変化させることで、水のみならず油に対しても接触角を変化させることが可能とし、かつ、リバーシブル性をも併せ持つものであり、新しい表面設計指針が提唱された。

KAISTのHaeshin Lee教授は、二枚貝の一種であるイガイの接着タンパク質の一つであるMefp-5に注目し、最小単位分子構造が類似したドーパミンを利用した表面修飾による高機能性材料を紹介され、ナノレベルでのバイオミメティクスの可能性が示された。

University of MassachusettsのThomas J. MaCarthy教授の御講演は、材料表面における水の挙動に関する基礎から応用研究の内容であった。ディップコーティングと表面構造を利用した堆積手法は、表面自由エネルギーを巧みに制御したものであった。また、接触角の測定に用いられるYoungの式の正当性について述べられ、表面科学の奥深さを感じられた。

本シンポジウムには、産学官の研究者が参加しており、各分野における連携の重要性とともに、バイオミメティクス研究の広がりが感じられた。このようなシンポジウムに産業界の参加者がさらに集うことで、基礎研究から得られた技術・知見の応用展開をさらに加速できる良い機会になるはずである。また、学生の参加も多数見られ、生物規範工学が構築しつつある新しい学問への興味を持つ、次世代を担う研究者が増えつつあると感じた。

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