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【2014. 3. 28】第58回日本応用動物昆虫学会大会小集会「甲虫の エントモミメティック ス ―肢の構造の多様性と機能―」

2014年03月28日

日時:2014. 3. 28

場所:高知県 高知大学朝倉キャンパス

2014年3月28日、B01-4班の森直樹先生と高梨琢磨先生が高知大学朝倉キャンパスにて、第58回日本応用動物昆虫学会大会小集会「甲虫の エントモミメティックス ―肢の構造の多様性と機能―」を開催します。

 

第58回日本応用動物昆虫学会大会小集会

「甲虫のエントモミメティックス ―肢の構造の多様性と機能―」

 

日時:2014年3月28日 15:15~16:45

会場:高知大学朝倉キャンパス共通教育棟131番教室(E会場)

世話人:森 直樹・高梨 琢磨

 

プログラム:

1)○椿玲未(森林総研)・細田奈麻絵(NIMS)・北島博・高梨琢磨(森林総研)

生息環境に適応したカミキリムシ類の振動反応性と接着機能

 

カミキリムシ科は、樹木から草本まで多様な生息環境を利用する種が含まれる。カミキリはそれぞれの生息環境に適応した機能を持つが、その機能解 明のためには、生息環境の特性を正確に把握することがまず必要となる。そこで本研究では、生息基質の振動に着目し、草本利用性のラミーカミキリを 対象に、寄主植物の振動特性と振動への反応性を調べた。
その結果、ラミーカミキリの着地や歩行による振動は、風による振動よりも高周波数成分が強 く振幅が大きいという違いがあり、ラミーカミキリは他個体に由来する振動に対して敏感に反応することが明らかになった。これは、ラミーカミキリが 自らの生息環境に適応した振動反応性を持っているということを強く示唆している。また、カミキリをはじめとする甲虫は、肢のふ節に密生した剛毛を使って、植物だけでなくガラスなどの人工物にも付着することができる。この剛毛 と生息環境の関係にも着目し、異なる環境を利用するマツマダラカミキリ、ラミーカミキリを比較することで、それぞれの生息環境に適応した接着機能 の解明を目指す。

 

2)○野村周平(国立科博)

甲虫肢接地面の多様性とその工学利用可能性

甲虫の3対の肢においては一般に、付節腹面で地面と接触する。地面や壁を歩き回るだけではなく、雄の場合には交尾の際、雌の背中にしがみつく機 能を備える。甲虫の付節は通常、3~5節の短い節が連なり、その先端に1対の爪を含む前付節が付く。多くの場合、甲虫の付節は中程で大きく広が り、接地面に多数の吸着毛を生じた吸着盤をもつが、吸着盤は付節第2節であったり、第3節であったり、その位置は決まっていない。吸着毛の形状は 変化に富んでいる。いくつかの例を挙げると、オサムシ類の雄吸着毛は杓文字型に大きく肥厚し、接地面に密に生じている。ハムシ科の付節は雌雄ほぼ 共通で、吸着毛は先端で二股に分かれる場合が多い。
カミキリムシ科では吸着毛は先端近くで大きく広がり、先端はとがっており、接地面と反対側に短 いトゲを生じることが多い。ゲンゴロウ、ガムシなどの水生甲虫では雄前・中肢付節腹面に吸盤あるいはさまざまな形状の吸着毛を生じることが知られる。このような甲虫付節吸着毛の接着および脱着メカニズムは、ゲッコーテープに代表される工学製品への応用可能性を秘めている。演者らは様々な甲 虫における吸着メカニズムの画像データベース化を目指している。

 

※大会参加のお申し込み・会場の詳細については下記URLをご参照ください

http://58.odokon.org/

 

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