有村 博紀
研究概要
本研究が連携する計画研究A01班で構築するバイオミメティクス・データベースは、生物学や材料科学などの異分野のデータベースを、画像データ検索技術により横断的に検索し、クラスタリングして提示することで、専門の異なる研究者に新たな気付きを提供し、異分野連携と産学連携の協力な推進器板となりうる。また、ISOにおいてバイオミメティクスの国際標準化の検討が開始されており、先に述べた画像検索技術を踏まえ、国際標準化に参画することで、我が国の国際競争力強化に貢献できる。
以上の背景のもと、本研究では、オープン・イノベーション・プラットフォームの実現に向けて、国際的産業応用可能ナバイオミメティクス・データベースの機能についての検討を目的とする。それにより、我が国がバイオミメティクスの産業応用で世界に先んじ、我が国の産業界に資することを目指す。また、本研究を通じて生物工学と工学に通じる人材の育成にも寄与する。
26年度の実施計画
現在の研究計画達成度を踏まえて、今後は次のように研究を推進する。
(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析:前年度に継続して、海外のバイオミメティクス関連の研究プロジェクトを調査・分析し、バイオミメティクス・データベースとの連携可能性や差別化の方向性を検討する。さらに、当該分野の欧州等における異分野連携や産学連携に向けたネットワーク形成等の動きについて調査を実施する。
(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動:10月にベルギーで開催されるISO/TC266第4回総会への出席等、前年度に継続して情報収集、標準化活動を行う。
(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析:平成25年度に実施した企業研究者等へのインタビュー結果と研究項目(1)(2)の結果を踏まえて、オープンイノベーション・プラットフォームを実現するために、バイオミメティクス・データベースに必要なデータ、具備すべき機能、機能を実現するための技術、運営方法等を提示する。