平成26年度の公募研究

金森 義明

研究概要

RGB構造色材料の実現と集積化(ピクセルサイズ超微細化、分光帯域および分光効率の向上)

周辺媒質よりも高い屈折率を持つ誘電体材料を素材とし、導波モード共鳴効果、干渉効果、光散乱を活かしたRGB構造色の光学設計を行う。光学設計に基づき、試作する。ピクセルサイズの微細化を実証し、どこまで微細化可能か明らかにする。また、昨年度の試作結果を踏まえ製作条件を見直し、精度を向上することで、分光効率向上および分光帯域制御性を向上させる。特定のデザインをRGB表示し、超解像カラーフィルタをデモンストレーションする。設計は、Finite Difference Time Domain (FDTD)法やRigorous Coupled-Wave Analysis (RCWA)法による数値計算により、サブ波長構造と電磁波の相互作用を厳密に求める。RGB各フィルタは構造(周期、寸法、形状)がそれぞれ異なるが、各色フィルタのピクセルを所定ピッチでアレイ配置して一括製作する。顕微分光装置、デジタル顕微鏡、走査電子顕微鏡を用いて、試作したRGB構造色フィルタの垂直反射・透過分光特性や形状を評価する。10μm角以上のピクセルサイズは、自作の微小領域可変角度反射測定装置で角度特性を評価する。

26年度の実施計画

現在の研究計画達成度を踏まえて、今後は次のように研究を推進する。

(1)バイオミメティクスに関する海外動向調査・分析:前年度に継続して、海外のバイオミメティクス関連の研究プロジェクトを調査・分析し、バイオミメティクス・データベースとの連携可能性や差別化の方向性を検討する。さらに、当該分野の欧州等における異分野連携や産学連携に向けたネットワーク形成等の動きについて調査を実施する。

(2)バイオミメティクス・データベースの国際標準化活動:10月にベルギーで開催されるISO/TC266第4回総会への出席等、前年度に継続して情報収集、標準化活動を行う。

(3)バイオミメティクス・データベースの産業応用に関する調査・分析:平成25年度に実施した企業研究者等へのインタビュー結果と研究項目(1)(2)の結果を踏まえて、オープンイノベーション・プラットフォームを実現するために、バイオミメティクス・データベースに必要なデータ、具備すべき機能、機能を実現するための技術、運営方法等を提示する。

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