平成26年度の公募研究

Olaf Karthaus

研究概要

本研究の目的は花粉のバイオミメティック(生物模倣)である。花粉表面上にはしばしばその植物に特有なマイ
クロパターンが見られる。
そこで申請者は花粉の機能を、人工類似物の作製によって本物の花粉と比較調査することで追求したいと考えて
いる。申請者は乳化重合を用いた自己組織化や前もって生成された高分子ビーズによる表面処理によって、高分
子の粒子を飾ることに焦点を当てている。材料として使われるのは高分子、または酸化チタンなどの無機質のナ
ノ粒子である。
この研究の結果はデータベース化され、学会発表されることになる。いずれにせよ、花粉が人間にとって身近な
存在であるため、この研究は、近い将来市民講座等で一般の人々にも届く話題となることであろう。花粉のバイ
オミメティクスについては本の中で最新の花粉研究と人工的な疑似花粉構造物について取り上げる予定である。

26年度の実施計画

まずはじめに、表面構造を持つマイクロ粒子のライブラリをいくつかの方法で設立したいと考える。

(1)オイル層にある2つのポリマーを含む乳化剤による相分離構造を持つマイクロ粒子を作製する。溶媒蒸発の間に相分離が生じ、1-50μmのサイズの粒子が作られる。溶媒、乳化剤、高分子のタイプ、濃度比によってディンプル構造が作られる。耐久性のあるマイクロ粒子を作るためには、ポリカーボネートやポリスルホン、ポリアミド酸、またポリヘキシルチオフォンのような導電性高分子をスクリーニングする必要がある。

(2)不溶性のマイクロ粒子(直径5-50μm)をポリアニリンパッチでコーティングし、粒子の表面を花粉の表面のように構造化する。

(3)その他の機能的な表面作製の方法は、有機または無機のナノ結晶やナノ粒子で表面処理することである。手法(2)にも近いが、我々は酸化チタンのナノ結晶で多孔質ポリマーフィルムをコーティングすることに成功した。この方法でも直径5-50μmのマイクロ粒子からコーティングを始めるつもりである。

(4)様々な方法(1)〜(3)で作製した粒子を光学顕微鏡や電子顕微鏡でイメージングする。

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