平成28年度 公募研究

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津守 不二夫

研究概要

プランクトンの表皮や哺乳動物の気管支表面に見られる繊毛構造は,ミクロ領域における優秀な微細駆動・送液デバイスである.しかし,繊毛を模倣した構造は工学的にはまだ実用化にいたっていない.本研究では,磁性微粒子を分散させた弾性樹脂材料(シリコーンゴム)を用い,外部磁場駆動型の人工繊毛構造を開発する.生体において観察されるメタクロナール波(風になびく稲穂のような動き)を再現することを狙う.また,得られた人工繊毛表面を新規マイクロ送液デバイスとして応用するための送液実験を行う.

28年度の実施計画

磁性粒子を分散させたシリコーンゴム材料(PDMS)を用い構造を作製する.この特徴としては,外部磁場による変形挙動を変化させるために構造内部で磁性粒子を鎖状に配向させた構造を作製することである.これにより,同一外部磁場のもとにおいても,変形挙動を変化させることができる.このような異なる磁気異方性を持つ繊毛を多数配置した人工繊毛表面を構築し,メタクロナール波を実現する.

平成27年度には,高さ3mm程度の繊毛を50本設置した構造を作製し,回転磁場によりメタクロナール波が再現できることを示した.本年度においては,紫外線レーザ光源と紫外線硬化ゴム材料を用いた新たな微細構造作製システムを完成させ,高さ100μm程度までの小型化を目指す.

 

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