プレス発表・報道等
関連者名 | 浦田千尋、穂積篤 |
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発表メディア名 | 産総研 プレス発表 |
発表年月日 | 2014年12月11日 |
内容の概要 | 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)サステナブルマテリアル研究部門【研究部門長 中村 守】高耐久性材料研究グループ 穂積 篤 研究グループ長、浦田 千尋 研究員は、各種粘性液体や氷の付着を大幅に抑制できる表面処理技術を開発した。 現在、はつ液処理(はっ水とはつ油処理)の多くは、有機フッ素化合物による処理や表面の微細加工に依存している。しかし、有機フッ素化合物は製造コストや廃棄コストが高く、微細加工は特殊な装置や長い加工時間を必要とする。このため、有機フッ素化合物や微細加工に依存しない安価なはつ液処理技術が求められている。 今回開発したはつ液処理技術では、樹脂やゲルにみられる離しょうやブルーミングという現象を利用している。はつ液成分を含むゲルを固体表面に形成すると、ゲルから離しょうによってはつ液性分が表面ににじみ出して薄い層を形成し、優れたはつ液性能を示す。表面に形成されたはつ液層と親和性のない液体は、粘性液体であっても表面に付着できずにスムーズに滑落していく。この処理技術は特殊な装置や反応条件を必要とせず、塗液を塗布するだけで成型できる。また、処理後の表面は透明であり、大面積化(A4サイズ)も可能である。 今回開発した表面処理技術により、 さまざまな粘性液体の付着の抑制や氷の付着力を低減できるため、包装容器、金型、船底、取水口、建材など、粘性液体や氷が付着しやすい固体表面への使用が期待できる。意匠性の維持、コスト削減、エネルギー消費の削減、メンテナンスの簡易化、安全・信頼性の向上が期待される。 この技術の一部は、平成26年12月12日に大阪科学技術センター(大阪府大阪市)で開催される第三回ネイチャー・インダストリー・アワード、および、平成27年1月28日~30日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される第14回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2015)の産総研ブースで発表予定である。 |