B01-3班
28年度の研究計画
①昆虫の足の可逆的接着性、セルフアライメント技術:昆虫の脚先構造や魚類の吸着デバイスについて、引き続き系統的なアナロジーの検証(A班と連携)と、形成プロセスの解明(B01-2班と連携)、可逆的接着性を持つ「昆虫の脚型配線」を最適化する(細田、重藤)。濡れ性の違いや泡を利用した「セルフアライメント技術」を開発する(穂積、浦田、重藤、細田、松尾)。ぬれ性の制御を行う表面改質については,超純水蒸気を含有した窒素雰囲気中での紫外光照射手法を主に用いる(重藤)。最終的な導電化には導電性粒子の利用、ハンダ微細加工により配線する「結線技術」を開発する(細田、重藤、松尾)。
②植物の自己修復や分泌の仕組み、長寿命化:1)「昆虫の足の可逆的接着性、セルフアライメント技術」において、これまでに最適化した層状ハイブリッド皮膜(塩水噴霧試験2000hクリア)を実際の実装基板に展開し、長期間実環境化において絶縁性皮膜として機能することを実証する。さらに、これまでに開発された各種要素技術を組み合わせ、バイオミメティクス実装プロセスを確立する。また、2)「植物の自己修復や分泌の仕組み、長寿命化、防汚技術」においては、開発したナメクジの表皮を模倣した自己分泌型防汚材料(SLUG)をB01-1班(大園ら)の自己組織化技術を利用して微細構造化する。得られた微細構造化SLUGの基礎物性(光学特性、防汚性等)について調べるとともに、屋外暴露試験を実施し、表面機能の耐久性についても評価する。(穂積/浦田)
③生物の放熱性等、放熱特性の向上: 1)珪藻殻の種類・構造等が放熱特性に及ぼす影響を調査し、 サブセルラーサイズ構造との関係性を明らかにするともに、珪藻殻の特性を 活用するメタサーフェス構造構築のプロセスを確立する(公募班・前田との連携)。また、構造の最適化を行い、エレクトロニクス実装に向けたモデル 試験を行う。2)放熱特性を高める周期的な構造と生物モデルとの関係性をシミュレーションにより調査し、モデル表面構造の熱的特性評価を行い、生物の新機能を探索する。(前田/松尾)
④エレクトロニクス実装プロセスを確立:信頼性評価については,JIS規格に定められた熱サイクル試験などを行い,導電性粒子を利用して電気伝導性を与えた微細毛 電極と基板側の配線間での接続抵抗値が±20%以内に収まることを目指す.(重藤)
28年度の実績報告概要