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B01-5班

28年度の実施計画

(1) 生物規範細胞ミクロメカニクスシステム:
これまでに開発している2次元・3次元の細胞運動制御技術の活用を拡大し、細胞運動のメカノバイオロジーのメカニズム研究のさらなる追求として、細胞運動時の周囲のマトリックス環境に見られる応力分布のダイナミクスを調べる。そのデータを生物飛行における流体応答と比較検討し、「生物流動波」の考察のための知見を得る(木戸秋、小林).班間連携として、大園班しわ制御型のゲル材料上での細胞培養系の評価も予定している。

(2) 生物規範飛行マクロメカニクスシステム:
1)昆虫羽ばたきに関する内部神経・骨格系と外部力学の相互作用を考慮した運動制御の解析と羽ばたき「同期」現象の解明、2)実験・解析による鳥類翼表面セレーション構造の静音効果の解明と鳥類の内部形態・羽毛微細構造の進化生物学的研究、3)B01-1班との連携による自己組織化微細構造表面に誘導する摩擦抵抗低減の表面サブセルラー・サイズ効果の解明、4)B01-2班との連携による羽ばたき翼マルチスケール流体力学性能効果の解明、5)人工柔軟翼・柔軟胴体をもつ生物規範型飛行ロボット及び風車翼のバイオミメティクス・デザインなどを実施する。(劉、安藤、山崎)生物翼のサブセルラー・サイズ表面構造の力学的機能情報をA01班に提供し「バイオミメティクス・データベース」での生物規範メカニクス・システム機能要素の構築を行うとともに、細胞メカノバイオマテリアルの創製や昆虫規範型ロボットの開発を目指す。

(3) 生物マルチスケールメカニクスシステム:
生物運動の新しいスケーリング法則を、遊泳生物や飛行生物の運動に適応しそれらのスケーリング法則を定量的に記述するとともに、課題2)、3)と連携して細胞や生物器官表面「サブセルラー・サイズ効果」による生物運動の制御原理を明らかにする(劉,木戸秋)。

28年度の実績報告概要

(1)生物規範細胞ミクロメカニクスシステム:
3次元の細胞運動制御技術の活用を拡大し,未分化保持培養幹細胞品質保証技術を開発し、MSC分化フラストレーションを発見した。細胞の微小重力環境感知可能なアクティブタッチ・システムを開発し比重の重い核・ミトコンドリアへの重力作用効果とストレス線維の張力変化やアクティブタッチへ影響を調べた。班間連携として,B01-1班しわ制御型のゲル材料上での細胞培養系の評価も実施した.

(2)生物規範飛行マクロメカニクスシステム:
マルハナバチ羽ばたき飛行に関する昆虫実験と力学シミュレーションにより羽ばたき翼ヒンジ受動的運動の空気力学性能を明らかにした。マルハナバチの飛行制御における胴体ロール運動による受動的メカニズムを解明し理論モデルも提案した。風洞試験と大規模数理シミュレーションによりフクロウ翼表面鋸歯構造の空力性能と静音効果のトレードオフ原理を解明した。生物規範柔軟翼を製作し風洞試験と計算モデルにより回転翼としての空力性能を評価し風車翼やドローン翼への実装可能性を確認した。スズメガの羽ばたき運動時の外骨格の3次元計測を行い、局所的な骨格運動が羽ばたき翼運動にとって重要である事を確認した。生物翼のサブセルラーサイズ表面構造の力学的機能情報をA01班に提供し「バイオミメティクスデータベース」での生物規範メカニクスシステム機能要素の構築を検討した。

(3)生物マルチスケールメカニクスシステム:
細胞運動、魚類遊泳,昆虫・鳥飛行におけるマクロな生物流体特性である流動性と波動性に対して,横波エネルギーと縦波エネルギーの比を表す波動エネルギー数(Wave energy number)を導出し,生物運動が最大機械効率よりも最小移動コストの原理に従うことを突き止め、新しい学理としてマクロ生物流動スケーリング法則を創出した。

(アーカイブ)

 

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