【2014. 10. 24】名古屋で開催される第4回次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH BIZ 2014 EXPOにおいて、下村新学術領域関係者による「バイオミメティクスがもたらす技術革新」と題した講演会が開催されます。
「バイオミメティクスがもたらす技術革新」と題した講演会が、10月24日(金)に名古屋で開催されます。参加費は無料です。皆様のご参加をお待ちしております (事前登録が必要です)。■第4回次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH BIZ 2014 EXPO
講演会「バイオミメティクスがもたらす技術革新」のご案内
1.日 時:2014年10月24日(金) 10:30~12:30
2.会 場:ポートメッセなごや(名古屋国際展示場3号館)
交通案内:http://portmesse.com/access
3.参加費:無料(事前登録が必要、講演会参加も事前登録必要)
4.主 催:名古屋国際見本市委員会
5.構成:名古屋市、愛知県、名古屋商工会議所、JETRO、名古屋貿易情報センター、名古屋産業振興公社
6.プログラム ●詳細・参加申込は以下のURLをご覧下さい
http://www.techbizexpo.com/event/index1024.html#no23
バイオミメティクス研究開発の国内外動向 (10:30~10:50)
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下村 政嗣 氏 |
穂積 篤 氏 |
- 千歳科学技術大学 総合光科学部 教授 下村 政嗣 氏
(独)産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 研究グループ長 穂積 篤 氏
バイオミメティクス(生物模倣技術)とは、生物の持つ特異な構造や機能、さらには形成プロセス等から着想を得て、新しいパラダイムにもとづく技術を開発し持 続可能性に寄与する総合的エンジニアリングである。本講演ではバイオミメティクスの国内外の研究開発動向と、生物学・博物学と材料工学・その他の工学とを 情報工学を介して連携させる学際融合に基づいた我々の新しい取り組みについて紹介する。
ナノスーツ(NanoSuit®)法による生体の生態観察~生きたままの生物を高倍・高解像度で電子顕微鏡観察する~(10:50~11:15)
- 浜松医科大学 医学部 教授 針山 孝彦 氏
超 微細構造を観察できる電子顕微鏡だが、生物を高真空に曝すと体内のガスや液体が奪われ収縮し、微細構造も変形する。種々の方法が開発され、生きた状態を反 映しているであろう死んだサンプルを観察してきた。我々は、種々の実験の中から、特定の生物が電子顕微鏡内で一定の間、生命維持できることを発見した。生 物がもつ細胞の外側にある物質(ECS)が、電子線重合によって極薄い薄膜の服-NanoSuitの素材となっていて、全身を覆っていることを突き止め た。これをバイオミメティクスによってECSをもたない生物にも適用できるようにし、生きたまま電子顕微鏡観察できるようにした。
発想支援型検索システムとバイオミメティクスデータベース(11:15~11:40)
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長谷山 美紀 氏 |
小川 貴弘 氏 |
- 北海道大学 大学院情報科学研究科 教授 長谷山 美紀 氏
北海道大学 大学院情報科学研究科 助教 小川 貴弘 氏
バ イオミメティクスは、生物の構造や機能から着想を得て、新しい技術を開発する科学技術である。膨大な生物学データから工学へ繋げる発想支援が重要な役割を 担うとされ、新しい画像検索基盤の実現が開始された。生物データベースに含まれる大量の画像を活用することで、テキスト情報による検索の限界を超えた『バイオミメティクス検索基盤』を実現する試みである。本検索基盤は、今まで昆虫や鳥類、魚類など個別のデータベースに蓄積されたデータを統合し、材料科学や 機械工学など広く工学研究者や産業界の利用を可能とする。本講演では、上記検索基盤について紹介し、生み出される工学的発想について議論する。
生物に学んだ多機能性表面の創製(11:40~12:05)
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穂積 篤 氏 |
浦田 千尋 氏 |
- (独)産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 研究員 浦田 千尋 氏
(独)産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 研究グループ長 穂積 篤 氏
生 物の表面は、分泌液/物質を継続的に分泌することにより、その優れた表面機能(濡れ、摩擦、自己洗浄、修復等)を長期間維持している。当研究室ではこのよ うな生物の分泌機能に倣い、様々な多機能性皮膜を開発している。本講演では、その一例として、耐食性に優れた有機-無機ハイブリッド皮膜を紹介する。本皮 膜は、有機種(アルキル鎖)と無機種(シリカ)が交互に重なった、層状構造を有しており、層間に様々なゲスト種を導入可能である。このため、皮膜最表面が 優れたはっ水性を示す他、層間に防錆剤を導入することが可能である。これらの相乗効果により、本皮膜を塗布した銅基板は、塩水噴霧後(1000時間)も、 初期の金属光沢を維持することが明らかとなった。
生体表面の持つ多機能性の活用 ~モスアイフィルムを例にして~(12:05~12:30)
- 三菱レイヨン(株) フェロー 魚津 吉弘 氏
モ スアイ表面は100nm程度の大きさのナノパイル構造よりなっており、理想的な反射防止構造を有している。その構造は蛾の複眼の表面構造と類似しており、 バイオミメティクス材料の代表例とされている。モスアイ表面は反射防止特性だけでなく、超撥水特性や超親水特性を発現する。また、研究を進める上で、昆虫 類がその表面に付着することができないことも最近確認されてきた。この特性は害虫コントロール技術への応用が考えられ、農業分野・建築分野への応用も期待 されている。本講演ではモスアイ表面を代表例として、生体表面の多機能性の活用に関して解説する。